機軸通貨についてのお話ですマスコミで喧伝されている内容とはかなり違うようです。
浜 矩子(はま のりこ)さん専門は、国際経済のマクロ分析。 同志社大学大学院ビジネス研究科長・教授。
この方の記事がありましたので掲載させていただきます。
<掲載開始>
2011年8月11日 木曜日
◆ドル基軸通貨体制は終焉、通貨無極時代に~米国債格下げが意味するもの――浜矩子・同志社大学大学院ビジネス研究科教授 8月8日
円は「隠れ基軸通貨」、大人の対応求められる日本
――著書で、ファイナンス通貨として世界中で使われている円を「隠れ基軸通貨」と呼んでいますね。
「隠れ基軸通貨」という実態から政府も日本銀行も目を背けてきた。自ら、グローバルな世界とつながり、グローバルな世界をファイナンスしている通貨の番人であると言う認識を持って、政策を切り盛りするべきではあったが、そういうことは物凄く厄介なことだ。
こうした役割を認識したら、ゼロ金利をこんなに長期間にわたって続けることは到底容認できることではない。日本銀行は、円の役割について自覚しているが、認めたくはないと言うことだろう。自国だけの均衡を考えていたいものだ。
かつての西ドイツでもマルクが次の基軸通貨だと見なされることを恐れ、政府は腰が引けていた。政府・政治と言うものは基本的に一国主義の行動をとらざるをえないものだ。
だが、自分の国さえよければよいという政策で、グローバル時代を乗り切っていけるのかどうかは疑問だ。
――日本が進むべき道は。
日本は戦後、1ドル=360円の相場の有利さを上手に使って、短期で奇跡の復興と発展を成し遂げた。実は、世界最大の成熟債権大国という輝かしい地位にいる。日本の前には誰もいない。
ところが、もうナンバーワンではないとか、ハングリー精神がなくなったとか、中国に負けるとか言っていることが情けない。ウサギ小屋時代を懐かしんでさえいる。もっと大人にならなければならない。
これからは栄えある地位を占めるために、一刻も早く一ドル=50円時代にして、ドルのくびきから開放されるべきだ。目指すべきは「老楽(おいらく)国家」だ。
国内外で富を効率的効果的に使って、潰しあいではなく、分かち合いをすべきだ。貿易収支ではなく、投資により所得収支を稼ぐ。
こうした時代には、分散と多様化が価値を持ち、地域経済が小宇宙となる。成熟大国の新たな生き方のモデルを示すべき立場だ。中央政府、地方政府はそのためにやるべきことを考えれば、これまでとは違う日本の姿が見えて来る。
「21世紀のプラザ合意」でグローバル時代にふさわしい新たな枠組みづくりを
――そうすると、いまの危機に世界はどのように対処するべきなのでしょうか。
21世紀のプラザ合意とも呼ぶべき枠組みで合意することだ。基軸通貨ドルの安楽死、分相応な立場にソフトランディングさせるということだ。皆で役割を分担して、「自分さえ良ければ」ではなく、協調して秩序あるドル安、管理できるドル安を実現する。
プラザ合意で決まったことは非常にまともだった。ところが蓋を開けてみると、各国が「自分さえよければ」という姿勢で、動いた。今度はそうならないように「プラザ合意を超えるプラザ合意」を実現しなければならない。
――著書で「基軸通貨なき時代」に入ったとしていますね。
これだけグローバル化が進んで、ヒト・モノ・カネが世界中に動いていく。とくに、カネは「すっ飛んで行ってしまう」時代だ。こうした時代には、もはやいままでのように、通貨を集約し、一つの通貨が覇権を握るやり方は機能しない。
20世紀は通貨集約の時代であったが、21世紀は通貨多極でもなくて、通貨無極時代だ。分散と多様化の力学が働き、地域通貨が求められてくるのではないか。国の数よりも通貨の数が少なくなった時代から、国の数よりも通貨の数が増える時代だ。(後略)<掲載終了>
一国の通貨ドルが世界の基軸通貨であった時代が終わり、地域通貨が必要ではないかというお話です。以外と円が力を持っているのですね。通貨戦争という覇権争いが現在行われているわけですが、各国のエゴむきだしの時代が終了し協調の時代に入っていくために大きな苦難を乗り越えていかなくてはならないのでしょう。






